腰痛にとって一番大切なことは、ご自身のお身体と正しく真剣に向き合うことです。
腰痛やそれ以外、様々な症状の原因は一つではありません。
ぎっくり腰は、決して怖い事ではないのです。
ほとんどのぎっくり腰は、疲労の蓄積(脳も含む)、関節の機能異常に間違った体の使い方、間違った認識によることが多く見受けられます。
結果的に持久力のなくなった筋肉が痙攣、または微小な断裂(画像では写りません)しているケースが多い。
また、蓄積された精神的疲労が身体的異常となって現れ、慢性的に痛みを起こしているケースもあるので、腰痛などを通じて、是非自分自身のお身体と真剣に向き合ってください。
健康で丈夫な体、知識を持つ事は何事にもかえられない大切な財産です。
自分自身のお身体に対する、正しい生活習慣を見つけ、10年後、20年後のお身体の状態を見据えて向き合っていきましょう。
念のために注意すること
・発症年齢が55才以上
・高所からの転落 交通事故など最近大きなケガをした
・安静にしていても痛みが強くなる
・胸が痛い
・癌の病歴がある
・ステロイドを長期にわたり服用
・薬物乱用 免疫抑制剤の使用 HIV
・全身の体調不良
・原因不明の体重減少
・身体の変形
・排尿排便障害 肛門や会陰部の感覚がない
これらは重大な脊椎病変をチェックする腰痛ガイドラインのチェック項目「レッドフラッグ」です 大きな脊椎病変とは悪性腫瘍 脊椎感染症 解離性大動脈瘤 強直性脊椎炎 神経の障害(神経根・馬尾)などで患者数としては全腰痛の少数ですが 万が一のこともありますので、整形外科専門医を受診して画像検査 血液検査を受けてください
(神経の障害(神経根・馬尾)に関しましては、拝見すれば概ね分かります)
腰痛と上手に付き合うヒント
・腰痛が起きたらまず医師を受診し、重い病気が隠れているかどうか調べてもらいましょう
・安静にしているとかえって治りが遅くなります、可能な範囲で日常生活を続けましょう
・背骨や椎間板の変形が腰痛の原因かどうかは証明されていません、医師に変形していると言われても、不安になる事はありません
・慢性腰痛は"カゼ"のように繰り返し起こりますが、繰り返すたびに痛みが増したり悪化したりする恐れはありません
・治療のゴールは日常生活が送れることです、自分自身の感覚を大切にし、"快適"と思える生活を主体的に作っていきましょう
・しつこい腰痛には心理・社会的因子が影響していることもあります、自分にとっての腰痛の意味を考えてみるのも役立ちます、腰痛が気づきを与えてくれると前向きに肯定的に受け止めましょう
(腰痛のナゼとナゾ 菊池臣一 著 Medical Tribuneより引用させていただきました)
腰痛のためのゴールデンルール
・ 腰痛を恐れてはいけない。ほとんどの腰痛は危険な疾患ではない。
・ 腰が弱いと思いこまないこと。腰椎は身体の中でもっとも頑丈な部分。ひとつの腰椎は、上下の椎間板と上下左右にある椎間関節で連結されている。さらに複数の強力な靭帯と数多くの筋肉によって強化されている。
・ 最初に取る行動が大事。痛くても安静にしてはいけない。安静は回復を遅らせる。
・仕事を持っている人は、出来るだけ仕事を休んではいけない。腰痛は普段通りの生活を続けると早く回復する。
・ 人間の腰は動かすようにできているので、日常生活に戻るのが早ければ早いほど、症状の回復も早くなる。
・ 腰痛に対する最善策は、痛みがあっても身体を動かし、普段通りの日常生活を続けること。
・ 痛みの緩和に役立つ治療法はあるが、症状の回復は基本的にあなた自身の努力に依存する。
・たとえ耐えられないほど痛みが強くても、それは背骨に重大な損傷があるわけではない。
・中には痛みが長引く人もいるが、それは重大な疾患を意味しない。最終的には遅かれ早かれ治る。
・ 画像診断による異常所見は、しわや白髪と同じ正常な老化現象なので心配ない。
・ ほとんどの腰痛疾患は手術の対象ではない。手術を必要とする危険な疾患は稀。
・腰痛にまつわる恐ろしいうわさ話に耳を傾けてはいけない。それらは何一つ根拠がない。
・腰痛に対して不安や恐怖心を持たない。生涯寝たきりになることはない。
・不安やストレスは、腰痛を悪化させたり、慢性化させたりするので、リラックス法を学ぶ。
・ 楽観的にプラス思考であることが重要。腰にあなたの人生を左右させてはならない。
治療者も患者もあきらめずベストを尽くすことが肝要です。そして患者さんの不安と恐怖心を取り除いてください。なかなか回復しないのは、治癒を妨げる何らかの因子がブレーキをかけているためです。
(参考 TMSジャパン長谷川淳史さんから引用させていただきました)
全ての事象の原因は一つということはありえない、複数の原因が複雑に絡み合って起きる。これが原因ですと一つに言えるものは何もない。ただし、その事象が起きたきっかけは絞られる。いろんなことが重なって、臨界点を超えて症状になる。
椎間板障害は腰痛のみならず、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、すべり症、脊柱管狭窄症などを誘引しうる重大な問題
7.以降の流れ
さらに負担および加齢→筋肉の緊張→炎症性の痛み→異常な椎間板へのストレス→筋緊張の慢性化→腰椎不安定→変形・狭窄など→神経障害→神経障害の痛み痺れ→(知覚異常・運動麻痺)
いわゆる椎間板変性の流れです。変性がないところに変形や狭窄は起こりません。したがって、椎間板に対するアプローチが重要だという事になります。