マネージメント
<検査>
・問診
病歴、健康状態、家族歴
・視診
頭部、頸部、肩、上肢、胸郭、腹部、脊柱、骨盤、股関節、膝、下肢、足部
立位、前屈位(アダムポジション)、坐位、姿勢アライメント、
(慢性的な不良姿勢によるもの、疼痛回避姿勢などの鑑別)
・ROM、MMT検査
(主に胸腰部、股関節)
・整形外科学テスト
アダムスポジション、棘突起叩打テスト、ソート・ホールテスト、胸部拡張テスト、下肢伸展挙上テスト、トーマステスト、下肢長計測など
・触診
静的触診、動的触診、筋肉の緊張具合、圧痛、疼痛の有無
骨の形が左右対称ではない構造性側弯なのか、骨の形が左右対称である機能性側弯なのかを確認します。次に筋肉の状態を調べていきます。筋肉の短縮、硬結、筋力低下を確認する。骨盤や背骨、肋骨の関節の動きが悪くなっている場所を探します。
<6つのアプローチ>
1・機能異常を起こしている脊柱の関節や筋肉、背骨や骨盤の歪みに対してモビリゼーションを行い、正常な関節機能を取り戻します。
とくにポイントと考える関節
・環椎後頭関節
・頸胸移行部
・胸肋関節、肋椎関節、胸郭の動き(多くは胸椎右凸の後方変位)
・胸腰移行部(多くは腰椎左凸の後方変位)
・仙腸関節
・股関節
特発性側弯の多くは胸椎右凸、腰椎左凸である、
原因は分かりませんが、心臓が左にあること、右利きに都合が良い世の中になっていることが、少なからず影響していると考えます。
2・筋緩和操作で(ストレッチなど)短縮した筋肉を、元の正常な筋肉に戻します。
(側弯症になると、左右のどちらかの筋肉は伸ばされた状態となり、一方は縮まった状態、すなわち短縮した状態になっている)
3・等尺性収縮運動などで力が弱くなっている筋力を回復させる。
4・自己矯正エクササイズの指導
膝抱え体操(脊柱と筋肉を伸ばす)
ストレッチポールなどを用いて脊柱を伸ばす
胸椎を右に倒しながら伸ばす、腰椎を左に倒しながら伸ばす
仰臥位で膝を立てて左右横に倒す
マッケンジー体操、猫のポーズ
ぶら下がりなど
5・正しい姿勢、左右対称の身体の使い方の意識付け
6・その他、生活指導 メンタルケア
アプローチにより骨の変形が改善されることはありませんが、背骨の関節のバランスを回復させる。関節の機能を回復させることにより肩こりや背中の痛みなどの不調は快方に向かうケースが多く、関節機能異常を改善させることで、側弯の角度が軽減、進行を抑制されると考えます。
経過観察し定期的に必要に応じてレントゲン検査を勧める(3~4ヵ月、6ヵ月、1年毎)。
<備考>
(1)構築性側弯と機能性側弯の違い
アダムスポジションで消えれば機能性側弯、残れば構築性側弯
<機能性側弯>
外的要因による側弯。要因を取り除くことにより消失ないし軽減できる側弯
疼痛性側弯・代償性側弯
<構築性側弯>
脊椎自体に異常がある側弯
自家矯正が完全にできない・椎体の楔状変形・椎体の凸側方向へ捻じれが特徴
(2)構築性側弯に分類される先天性側弯症
脊椎に生まれつき異常があるために生じる側弯
半椎、楔状椎、癒合椎、肋骨奇形など先天奇形に伴って発生する側弯。進行性であることが多く、とくに半椎と対側の癒合がある場合は予後不良である。
(3)特発性側弯症のX線評価法
<Cobb角>
通常レントゲン写真上に線を描いて角度を測ります。 カーブの頂点になっている椎体(頂椎:ちょうつい、と呼びます) の上と下でそれぞれ最も大きく傾斜した椎体の外縁から直線を延ばし、 その2本の直線の交差する角度(コブ角)でカーブの大きさを表します。 下の図
参考文献・インターネットサイト
・David.J.Magee 運動器疾患の評価 医歯薬出版 p378~400 東京 2000
・ 石井清一 平澤泰介監修 標準整形外科学 第8版 医学書院 p431~437 東京 2002
・側わん症ってなに? 患者様ページ_義肢(義足・義手)装具の製造・販売
www.rakuhokugishi.co.jp/customer/004.html
・http://square.umin.ac.jp/iwate-sokuwan/_pdf/guidebook.pdf
・難病情報センター | 脊髄空洞症 www.nanbyou.or.jp/entry/133
・脊髄空洞症、キアリ奇形 | 脊髄・脊椎の病気について | 患者のみなさまへ ...
www.akita-noken.jp
・側弯症に対するカイロプラクティックケアgoodlife-chiro.com